株式会社アトラエ ワークサンプル
髙橋 理恵 2026.10

お題1「うわ、これオモロ…」
・・・✓・・・
全く感じていないとても感じている

株式会社ドット

サーベイの選択肢には、名前がありません。
両端の2つをのぞいて。

— 第一場 限界 —
社員

部長! もう限界です!

部長

どうした!?

社員

なんであいつらは暇そうにしてて、こっちばかり、こんなに忙しいんですか!

部長

待ちたまえ。まずは深呼吸をして落ち着きたまえ。……一体何の話だね。

社員

何って決まってるでしょ!

社員

ドットの話ですよ!

部長

は?

社員

サーベイのドットの話!

部長え!? あ? あ、あードット?
サーベイのドットの話だったの?
わかるわけないよね!?
社員

ドット部の中央値から、激しいクレームが来てるんですよ。

部長まず
ドット部の存在が
衝撃なんだが

— 第二場 出動要請 —
社員

サーベイの回答のたびに、出動要請がかかる。そこまではいいと。

社員

でも、いつも中央値のドットばかり出動要請がかかり——

部長

まぁ、平均値だからね……。

社員

端のやつらは暇すぎて、優雅に窓際族をしてるどころか、日本一周の自転車の旅に出かけるやつまで現れる始末です。

部長端って
そんなに出ないの!?

挿絵 1
日本一周の自転車の旅に出た「端のドット」。
のどかな海沿いの道。満喫している。

・・・✓・・・
社員

そしてついに……クレームが来ました。
「このサーベイでは、真実が読み取れん」と。

社員

「株式会社平均値」から。

部長その会社、
まず社名から
変更したほうがよくない?

— 第三場 施策会議 —
社員

だから、僕、ドットたちと相談して考えたんです! 社員の本音を引き出す施策を!

部長

え? ドットと相談? え、あ、そうなの?

案 1

設問に「ぶっちゃけ」をつける。

部長なんか軽いな!
案 2

中央値を選んだら、猫がウルウル顔で「本当に?」と聞いてくる。
それか、熱血コーチみたいな人が出てきて「お前はやれる! もっと尖っていけよ!!」と言ってくる。

部長うるさいな!

挿絵 2
ウルウル顔で「本当に?」と聞いてくる猫。
画面いっぱいに迫っている。

案 3

最後に「どれくらい本音で答えましたか?」と追加する。

部長逆に答えづらいわ!
社員

あ、でも本当に真ん中の人は、真ん中でいいんですよ。

部長どっちだよ!
社員

でも部長! 何かをしないと、このままでは中央値が過労でつぶれてしまいます!

部長

えぇい、よくわからんがわかった! とりあえず試してみろ!

— 第四場 数か月後・株式会社平均値 —
社員たちが、めいめいに個性的な格好をしている。
部長
平均値

おいおい、なんだこれは! 社員が全員尖ってるじゃないか!

部長
平均値

社長! 大変です! あのサーベイは危険です! 社員が無駄にトガっ——

挿絵 3 (ここがオチです)
振り向いた「平均値の社長」。
誰よりも個性的ないでたちになっている。

社長
平均値

どうした?

部長(平均値)いや、
お前もかい!

・・・・・・✓
全く感じていないとても感じている

尖っていこうぜ、Wevox

設計意図

※下書きです。提出前にご自身の言葉に差し替えてください。

誰に向けたか

経営層や人事ではなく、サーベイに答える側の従業員に向けました。既存のコンテンツ(「はたらく!アニマル商事」など)は管理職・人事のあるあるが中心で、回答者本人を主役にしたものが見当たらなかったためです。

なぜこの切り口か

実際の回答画面を確認したところ、選択肢は7つの点で、両端にだけ「全く感じていない」「とても感じている」のラベルがありました。真ん中の5つには名前がありません。いちばん選ばれるのに、名前がない。ここを起点にしました。

サーベイに「正直に答えていない」37%(最大の理由は「会社が変わらない」43%)。「すべて本音で答えた」は10.8%。
— 本音が出ないのは回答者の怠慢ではなく、構造の問題だと考えました。

笑いの向きについて

回答者を笑う形にはしていません。笑われているのは架空のドットたちで、読者は部長のツッコミ側に立って読めます。「本当に真ん中の人は、真ん中でいい」という一行を入れたのも、本音がど真ん中の人を否定しないためです。

なぜ全編を漫画にしなかったか

文章で引っ張ることで「え、ドットの話!?」という驚きが成立します。最初から絵でドットを見せると、この驚きが前倒しになって消えます。挿絵は、文章では伝わりにくい3か所(自転車の旅・猫・最後の社長)にだけ置きました。

検討して採用しなかった案

  • 社内議事録の体裁で同じ話を組む案。上品さでは勝るが、オチの強さで劣ると判断
  • 匿名掲示板のログの体裁。「名無しさん=名前のない点」の符合は強いが、読者層を選ぶため見送り
  • Xのタイムラインの体裁。社長が3年間「右端にいます」と投稿し続け、いいねが0だったというオチまで作ったが、読後感が重くなるため見送り

お題2への別案

【誤爆選手権】——メールの誤爆エピソードを募集し、採用作を公式Xで公開する投稿企画。誤爆は「言うつもりのなかった本音が、事故で伝わってしまう」こと。サーベイは「言っていいはずの本音が、なぜか伝わらない」こと。同じ「本音の伝わらなさ」を、別の角度から扱う企画として考えました。

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